5月18日の日記

キョウエイマーチが死んだ。

圧勝に次ぐ圧勝で桜花賞を制した。2400メートル、オークスの直線、ずるずる後退していった。秋、評価が上だったシーキングザパールを抑えたローズS。（シーキングは喉鳴りだったけど。）メジロドーベル相手に堂々と踏ん張った秋華賞。マイルチャンピオンシップでは（当時）四歳の牝馬ながらタイキシャトルの二着。

それから苦難が続く。息の入らない1200はキツイ。東京の1600はスタミナがもたない。マウントアラタに絡まれたり、肝心なところで出遅れたり。

マイルに距離が変わった京都金杯では5馬身差の圧勝。うまくレースができればこれくらい強いんだ、と溜飲を下げた。

晩年は地方のレースにも出ていたようだ。当時はパソコンも無かったし、中央のレースにでてきた時に馬柱を見て知った。好走していて、嬉しかった覚えがある。彼女が競馬場から姿を消すのと同じくらいの時期に、俺は段々競馬を見なくなっていった。

逃げて逃げて、必死に粘る。いろんな意味で不器用な馬だった。それが好きだった。あんなに一頭のサラブレッドに入れ込む事は、きっともうないと思う。さよならキョウエイマーチ。